官薩両軍緒戦之地


薩軍に包囲されている熊本城を目指し、南下する官軍第十四連隊(乃木希典少佐)と、北上する薩軍の第五大隊第二小隊(村田三介)の間で2月22日に戦いが始まった。
この戦いが西南戦争城北での緒戦「向坂の戦い」である。
向坂の戦い
午後6時、乃木少佐率いる第14連隊の一部が到着し、警戒をしていた。午後7時ころ、攻撃をしかけてきた薩軍はいったん退たが、午後9時ころになると増加し、本道に肉迫してきた。左右より包囲されるようになり、敵弾が左右、やがて背後から飛んできて防戦がくるしくなった。乃木少佐は兵にふすまや家具を集めさせ、この付近の民家に放火しようとした。何度か失敗したが、午後9時40分に火の手が上がった。これを合図に官軍は戦線を開いて、町の西側、千本桜に向けて退却したが、乃木少佐は連隊旗手の河原林少尉に、本隊退却を助ける退軍の責任者にしてしまった。