この写真集は、筆者が過去数十年間にわたり各地を訪れ撮影したものの中から選び抜いたものを掲載したものです。写真の配置や説明文等については多少見づらい点もあるかと思いますが、筆者の独断的思考によるものです。容赦下さい。
さて、皆さんもご覧になられて感じられたことと思いますが、特に各地にある墓地の様相です。全く人の手が入らず荒廃している所もあれば、隅々まで清掃が行き届いてとてもきれいな所もあります。一例を挙げますと佐伯市にある「佐伯招魂所」です。ここは、地元の方の話によりますと、数年前までは老人会の方々が草取りなどの清掃活動をされていたそうです。しかし、年月の経過と共にお世話する人がだんだんいなくなり、現在は放置状態だと言うことでした。誠に残念なことです…。また、筆者が一番きれいと思っている墓地があります。それは、日向市にあります。細島港を見下ろす小高い丘の上にある「西南の役細島官軍墓地」です。ここは市の指定文化財となっています。(どこの史跡も県なり市の指定文化財となっているとは思いますが。)
ここで紹介した史跡・記念碑等は、九州圏内(熊本・宮崎・大分・鹿児島)が中心ですが、全国にはまだ沢山あると思います。そして、これらの史跡はいずれも歴史の証言者であり、かつ、貴重な財産です。その保存については、地域の方々や関係者の方の積極的な取り組みが大切なことだと思っています。
最後に一言、「勝てば官軍、負ければ賊軍」と言われている通り、敗者である薩軍関係のの史跡が少ないのではないかと、筆者はとても悲しく感じていますが、皆さんはどうでしょうか。